ダートは苦手。
でも釣れる
「コイツ、全然、きれいにダートしないでしょ?ピッコ、ピッコ、って、首をちょっとだけ振るくらい。不思議なもんや。イカはこれで抱いてくるんやから」
山田は新しいエギ、エメラルダスステイを泳がせながら言う。
確かにステイのアクションは、控えめにいってもダサ・・・・・・いや、個性的、うーん、思い切っていっちゃうけど、とても釣れそうには見えないことだろう。
「そのとおりやわ。めっちゃダサいし、釣れそうにも見えない」
「でも、エゲツないくらい釣れる」
テストでは、とにかく釣れに釣れた。
イカを誘うのにダートは必ずしも必要ないのか?エギングのセオリーすらステイは揺るがす
ステイのストロングポイントを列挙したい。
- 荒れてるときも、横風でもエギが浮き上がらず、どのレンジにエギがあるか、しっかり把握できる
- 潮の流れが、誰にでも明確にキャッチできる
- 着底がしっかり、はっきりわかる
- ゆっくり沈み、姿勢が崩れず、イカに違和感なく抱かせやすい
- 飛距離が出る
にわかには信じがたいかもしれないが、一度、お試しいただければ、すぐに納得いただけるだろう。
例えば、着底の感覚には、大いにビックリするはずだ。
グググと潮を噛んで沈んでいた手応えが、着底し、ラインが緩んだときに、ポンと軽くなる。
その感覚は、イカが抱いてきたんじゃないかと錯覚するくらい、ビビッドに出る。
その代わり、ダートは苦手だ。
当然だ。
上に挙げた長所を得るために、ダート性能は捨てたのだから。
オールマイティなエギなんてない。
何かを得るためには、何かは諦めなければならないのだ。
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ノンラトルのステイと、ラトル入りのステイRV。サイズはいずれも3号と3.5号。
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ボリューミーだけど、小イカもガンガン、アタックしてくる
じゃあ、何を武器に、イカにアピールするのか?
それは水押しだ。
首根っこあたりにセットした、2段の樹脂製のスタビライザー。
そしてハイボリュームなボディ。
ボディには、たっぷり26gのヘビーウエイトを積んだ。
だから飛ぶ。
だけど空気室をいっぱいとったファットボディ、かつボディ下部を平面にして、水を受ける形状にしてあるから、ノーマルエギと同等のスピードで沈む。
「ボディの水押しでイカを寄せるから、ステイは強くシャクらなくてもいい。どのみち、強くシャクっても、スタビライザーでガッと止まりよるしね。バンバン、ダートさせなくても、勝手にイカが寄ってくるからね」
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エラのようなスタビライザーが潮に噛むことで、踏ん張りや潮流の感知、イカを寄せる波動など、さまざまな効果を引き起こす
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ファットなボディに、フラットな底面。「3Dシンカー」も安定した飛行姿勢とフォール姿勢に貢献する
ステイの名前の由来は、流れに噛んで、アングラーの思い通りのところに、とどまり続けるところから名付けられた。
「流れがちょっとでも効き始めて、沖に払い出すような流れが出てきたら、ステイは潮に噛んで、止まって、クッと踏ん張りよる。その感触を、手元にしっかり伝えてくれるからね。潮が噛んできたら、アングラーも、来るぞ、釣れるぞ、って、集中力も増してくるしね。潮の噛み具合、抜け具合が、誰にでもすごくわかりやすいエギですわ」
まったく新しいエギが生まれたと、興奮を抑えられない山田。
「でも、イカに何が効いてるのか、実のところまでは僕にもわからん(笑)。だけど、ひとつだけいえるのは、とにかく釣れる、ってことや」
感度はステイの大きな魅力。他のエギでは抜けてしまうような緩い流れでも、ステイは捉えてくれる
山田ヒロヒト
ヤマラッピの愛称で知られる、エギングのスペシャリスト。日本全国のエギングフィールドを飛び回って釣りをした経験を、ストイストをはじめとするエメラルダスの各シリーズにフィードバックする
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