漁の延長だった船のイカ釣りを誰もが楽しめる遊びに進化させたのが、
若狭湾を発祥とする「イカメタル」ゲームだ。
独特の高感度タックルで掛けて獲る楽しさが、その人気をさらに加速している。
ここでは、最新タックルが開く、このゲームの楽しさを追いかけてみよう。
お手軽だが奥深い
超フィネスゲーム
「最盛期には、潮干狩り感覚の手軽さでおいしいイカを釣ることができる。これがイカメタルの人気の秘密でしょうね」とは岩城透さん。
このゲームを黎明期からリードしてきた岩城さんにとって、今シーズンもさらに熱くなっているイカメタルブームの盛り上がりは、ひときわ感慨深いものがあるようだ。
「今年は、春からムギイカの人気に火がついたおかげで、夏~秋からのマイカ(ケンサキイカ)、早春のヤリイカと合わせて、周年にわたって、イカメタルで遊べるローテが完全に確立しました。若狭湾のイカ釣りでは、もう完全にイカメタルが主流になってきましたね。ファン層も従来の船釣りファンはもちろん、釣りが初めてという、まったくのビギナーまで広がってきて、このゲームを提唱してきた人間としてはうれしい限りです(笑)」
そもそも、従来の「船からのイカ釣り」といえば、5本以上のスッテが付いたイカサビキを電動リールのタックルで狙うのが常識で、タックルの重さや仕掛けを裁く技術なども考慮すれば、とても初心者に勧められる釣りではなかった。
「それがイカメタルなら、軽いロッドと手巻きリールに数個のスッテがあればできる。使うメタルスッテの重さも最大で20号程度。キスを釣るような軽い道具でやれるから、女性ファンもすごく多いですよ。極細ラインと軽いタックルのおかげで、掛けて獲る楽しさが誰でも味わえるようになりました。やり込めば、スッテセレクトや狙うタナ、誘いのパターンで、釣果が大きく変わる奥深さもある。だから、みんな一度やると夢中になっちゃうんです」とは横山晴也さん。
「そうそう、特にマイカでは、パターンがコロコロ変わりますよね。それにそなえて、今シーズンは、メタルスッテもエギも釣れることにこだわって作り込みました」とはダイワのリグ担当・戸出玄樹さん。
ロッド&リグの大きな進化が、手軽で楽しく奥が深いイカメタルゲームを加速してくれるのだ。
取材協力/敦賀港 一美丸
イカメタルにこだわる若船長の北野慎也さんが舵を取る若狭湾の名船。予約乗合にて大型快速船で出船中。予約:電話0770-23-7005、090-8261-0371
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岩城透
イカルアーメーカー・アニサキス代表にしてダイワフィールドテスター。攻撃的な展開を身上とするイカメタルの伝道師として活躍中。タルイカジギングの提唱者でもある
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戸出玄樹
ルアー企画を担当するイカメタルのエキスパート。寸暇を惜しみ船上に立ち、釣れる製品作りへのリサーチを続けるエネルギッシュな活動が身上。今期のイカメタル関連のスッテ&エギを提案
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横山晴也
ビック釣具店店長にして、オバマリグの生みの親でもある元祖イカメタリスト。ステイをメインにする静の釣りにこだわり、イカメタルゲームのトレンドリーダーとして活躍する
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